2018/06/13
「パンとスープ」。なんとも幸せな響きです。
そんなパンとスープのさまざまな楽しみ方を、埼玉県幸手市のパン屋『cimai』のおふたりにご紹介していただきました。パンが主役の食卓と、スープが主役の食卓。とっておきのパンとスープを囲む、美味しくて温かな日常。
日常に、そっと寄り添うパンとスープとは?
ほっと安心感のあるパンを!
イベントに出店すればあっという間に売り切れてしまう『cimai(シマイ)』のパン。
自家製酵母でパンを作る大久保真紀子さんと、イーストを使ってパンを作る三浦有紀子さんの姉妹のお店は埼玉県幸手市にある。遠方からはるばる訪れる人も多い、真っ白な壁が素敵なお店は、『cimai』のふたりが自宅よりも長く過ごす場所。1日の始まりの朝ごはんも、お店で仕込みをしながらふたりで食べることが多いという。
「私は食パンを、真紀子さんは自分で焼いた天然酵母のパンを食べることが多いですね。今日はお互い、パンを取り替えてみました」と笑うのは、妹の有紀子さん。大忙しの朝でも、朝ごはんは欠かさない。
「とろっと溶けたバターが染み込んだ食パンを食べるのが毎朝の楽しみ。いつ食べても、いつも美味しい〝安心感〞がある食パンが好き。しゃれたパンだと疲れちゃうから」
気張らずに、変わらずにいつも美味しい。日常にそっと寄り添ってくれるシンプルな角食パンこそが、有紀子さんのとっておき。毎日食べるからこそ、もちろん一番美味しいこだわりの食べ方がある。厚く切った食パンは、格子状に深めに切り込みを入れ、薄切りにした加塩の『よつ葉バター』をのせて軽くトーストする。切り込みにバターがじわっと染みこんだトーストを、今朝は真紀子さんが、美味しそうに食べている。真紀子さんのお気に入りは、自分が作ったカンパーニュに、薄くスライスしたバターを冷たいままのせ、かじるように食べること。
休日に作る少しだけ手をかけたサンドイッチや、ポタージュのスープも、夜にワインに合わせて楽しむパンも好きだけれど、とっておきで思い浮かぶのはやはり、毎朝食べるバターをのせただけのトーストと野菜だけのスープ。毎日食べるのに、毎日変わらず「やっぱり好きだなあ」と幸せな気持ちにさせてくれる安心感のあるふたつのメニュー。
ふたりの忙しくも愛おしい日常の光景の中には、いつも欠かせない存在だ。
大好きな食パンは厚さも楽しむ
野菜たっぷりスープが作れない忙しい日にも
「具材がひとつだけのあっさり味でも、スープが一杯あると落ち着きます」と真紀子さん
c i m a i のアレンジパン
好きなパンに好きなトッピングをして自分だけのアレンジパンに。
組み合わせは自由自在なので、お好みの味に変化させてみては?
[ 妹・有紀子さんの場合 ]
きな粉たっぷりバターパン
+
黒蜜
バター
きな粉
カンパーニュの上にきな粉をまぶして黒蜜を垂らし、冷たいままで薄くスライスした加塩バターをのせて、さらに上からきな粉をまぶせば完成。バターの塩味と、控えめな和の甘みが調和した絶品おやつです。
[ 妹・有紀子さんの場合 ]
シロップ漬けフルーツトースト
+
バター
キルシュ
はちみつ
いちご
薄切りスライスのバターをのせたパンに、はちみつとキルシュを混ぜたシロップに絡めたいちごをのせた、少し大人向けのおやつ。トーストすれば完成。キルシュの代わりにホワイトラムを使っても◎
時間が経ってもパンを美味しくするコツ
たくさん買ってパンが余ってしまったことありませんか?
固くなってしまったパンも冷凍したパンも上手に活用してみましょう。
たっぷりの豆乳に浸してフレンチトーストに
硬くなってしまったパンはフレンチトーストにすることも多い。
有紀子さんお気に入りはたっぷりの豆乳で作るあっさりしたフレンチトースト。
豆乳に浸すことでしっとりとしたパンに復活する。
食べやすい分をラップしてジップロックに
どうやって冷凍するか、がとても大切。
好みの厚さにスライスして、一度に食べる分ごとにラップして、
ジップロックに入れてから冷凍する
パンとスープのレシピ
R E C I P E 1
たっぷり野菜でフレッシュに
自家製ツナサンド
【 材料 】
お好みのパン
自家製ツナ
クリームチーズ
サニーレタス、紫キャベツ、セロリ( スライス)
クレソン… すべてお好みの分量
【 作り方 】
パンにまんべんなくクリームチーズを塗り、ちぎったサニーレタス、
紫キャベツ、セロリ、ツナ、クレソンを挟む。
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自家製ツナの作り方
【 材料 】
マグロ… 1 柵
塩、 黒こしょう、ローリエ、オリーブ油・・・適量
【 作り方 】
1
マグロに塩を塗り、1時間ぐらいおく。
2
1 のマグロの水気をふき取り、鍋にマグロを入れて、かぶるくらいの油をいれ、黒こしょう、ローリエを加えて火にかける。
3
マグロに火が通ったら、火を止めて、保存容器にうつす。1週間くらい冷蔵庫で保存が可能。
R E C I P E 2
後味さわやかなごちそうスープ
干しエビのポタージュ
【 材料 】
干しエビ… 5 g
セロリ( 千切り)…1/2本
ジャガイモ( 小)… 1 個( 薄くスライス)
玉ねぎ( 小)…1/6個( 千切り)
べジブロス… 適量
ローリエ… 1 枚
白ワイン… 大さじ1
ケッパー… 少量
【 作り方 】
1
小鍋に油をひき、干しエビ、玉ねぎ、セロリを炒める。白ワインを入れ、軽く蒸し焼きにしてジャガイモを入れる。
2
ベジブロスとローリエを加えて、野菜と干しえびが軟らかくなるまで煮込む。
3
ピューレ状にして好みのとろみになるぐらいまで、ベジブロスで伸ばす。
4
器に盛り、ケッパーを飾る。
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ベジブロスの作り方
【 作り方 】
鍋に玉ねぎの皮、セロリの葉、パセリの茎などを入れ、かぶるくらいの水を入れてコトコトと、30 分ぐらい煮込む。ざるで漉したら完成。冷凍して保存も可能。
パンの好みが違うcimaiのおふたり。
個性豊かにアレンジしたパンはどれも美味しそう。しかし、とっておきのパンはシンプルに食べるのが1番。好きなパンとスープで、今日も新しい1日が始まる。忙しくも愛おしい日常の光景には、いつだってパンがありました。
【PROFILE】
大久保真紀子さん( 右)、三浦有紀子さん( 左)
埼玉県幸手市のパン屋『cimai(シマイ)』のおふたり。お姉さんの大久保さんは天然酵母で、妹の三浦さんはイーストでパンを作る。http://www.cimai.info
パン図鑑
やっぱりパンが好き!
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