料理家さんに教わる、調理道具を賢くそろえてきちんとしまう工夫③

旅してそろえた異国の道具｜口尾麻美さん

世界中を旅し、その経験から得たアイデアやインスピレーションと自由な発想で料理を生み出し続けている料理家の口尾麻美さん。
そんな口尾さんにとって、異国の地で出合った料理道具を集めることも、旅の醍醐味のひとつ。
集めた道具から、料理のヒントを得ることも少なくないという。
「その土地で根付いている道具に、〝使えない道具〞は無いはずなんです」。

トルコやアジア、アフリカなど屋台文化のある国で使われる道具は、機能性だけでなく、その活用度の高さも魅力を感じているそう。
また、日本では決してお目にかかれない、カラフルな色使いや素材感なども興味を引かれる理由らしい。
ベトナムで見かけた小さい中華鍋で、インドの野菜の蒸し煮『サブジ』を作ってみたり、クスクス用の調理鍋を使って蒸し料理をしてみたり。
あれこれ思いを巡らせながら、新たな料理を生み出す瞬間が楽しい。

「心地よいキッチンの条件は、好きなものに囲まれていること」。
旅に出る度に増える道具の数々は、使うのはもちろん、眺めるのも楽しみのひとつ。

そんな口尾さんのキッチンは、旅の思い出が詰まった宝石箱のよう。
驚きにあふれ、わくわくする夢の空間だ。
見ているだけでも楽しい気持ちにさせてくれる。

海外の家庭の道具は日本での調理にも活躍
海外で出会った道具は、現地の料理を再現するのにももちろん、他の調理にも活躍する。
ベトナムの小さな中華鍋は炒め物などを作ってそのままお皿代わりに

思い出と温もりがある愛着道具は見せて収納お気に入りの道具はすぐに使えるように、あえて見せて収納　
ビンやコップなどさまざまな容器を利用してすっきり見せる

口尾さんの調理に欠かせない小さな相棒

ステンレス製のトング菜箸やフライ返しの代わりにトングを愛用。その他にも料理を取り分けるなど、用途別に大小さまざまなトングを使い分けている

韓国で買ったザルキムチをづくりのときに白菜などを洗って干すためのザル。干し野菜を作る時や、洗いものの水切り代わりにも重宝している

シリコンスパチュラ
10 年前に合羽橋で購入。熱にも強く、適度な硬さとしなり具合が気に入っている。木ベラ代わりに炒め物などにも活用している

【口尾麻美】
料理家。さまざまな国を旅する中で出会った料理や、旅からインスピレーションを受けた料理の数々を雑誌や書籍、料理教室などで提案。著書は『旅するリトアニア』、『モロッコで出会った街角レシピ』（グラフィック社）など多数

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