料理家さんに教わる、調理道具を賢くそろえてきちんとしまう工夫②
2018/04/02
自分に合った道具をそろえて永く大切に使いたい。
調理道具には並々ならぬ思いを持つ料理家のみなさんに上手な選び方・付き合い方を教えてもらいました。
アウトドアクッキングも得意とするみなくちさんの調理道具は、木や鉄などの素材感あるものがそろう。
愛着を持ちずっと使えるものを|みなくちなほこさん
ストウブの鍋や、スプーンとフォークが一体になった槇塚登さんのフォプーン、
和田商店のスパチュラナイフなど、調理道具はどれも耐久性、使い勝手、素材感が優れたものばかり
室内だけでなく屋外でも料理することの多いみなくちなほこさん。
道具選びは必然的に外でも使えるどうかが基準になる。
コンパクトで、ヘビーユーズにも耐え、ひとつで何役もこなせるもの。
すると手元にそろうのは、木や鉄などの素材感のある、機能美に優れたものばかりに。
「繊細なものやプラスチック製品、遊び心はあるけど使いにくい道具は選ばないですね。もともとキラキラした可愛い系はあまり好きではないですし、衝動買いもしないです。逆に『コレ、いい!』と思ったら、いくつも買っちゃいます」そう言って笑顔を魅せるみなくちさん。
鉄鍋関連のレシピ本を多数出しているだけに、キッチンには『ロッジ』のスキレットや、『ストウブ』の鍋がサイズ違いで〝見せる収納〞となっている。鉄鍋は使えば使うほど味わいを増し、火回りがよくて料理も美味しく仕上がる。
食卓にそのまま出した際に様になるのもお気に入りの点とか。自分にとって必要かの判断が実に明確で、ブレがない。
木や鉄の道具は使うほどに自分に馴染む
ひとり暮らしを始めた時から愛用の砥石。
週1回は包丁を研ぐそう
木や鉄製の良質な素材を厳選。
ヘンケルスのキッチンバサミなど、使うほどに自分に馴染むような道具を選んで。
「キッチン道具はひと言でいうなら〝質実剛健〞かどうかですね」と選び抜いた道具は、流行やブランドにとらわれてもいない。
「これもね。想い出があります」とみなくちさんが手にしたパンナイフも、フランスの200年は続く老舗のパン屋『ポワラーヌ』のもの。
「フランスに行った時に、パン食べたさよりもこのナイフ欲しさに『ポワラーヌ』に行ったほど」という惚れ込みよう。ふたつ折りにできて持ち運びに便利なうえ、ハード系のパンが楽に切れるほど刃が丈夫な有能ナイフ。根菜を切ることもできる切れ味という。
「道具はどれも躍起になって探したのではなく、アンテナを張っていただけ。探さない方が見つかるのかもしれませんね」。
キッチンの空間を上手に使って自分らしくしまう
菜箸やレードルは種類別に立てて。
「柄の先がフック状でも伸ばしちゃうぐらい“立てる派”です(笑)」
「小さな鍋は高い所でも取り出すのが楽。冷蔵庫の上に置いてインテリアの一部に」
気になる道具には繰り返し使いたくなる理由がある
「いろんなサイズのストウブ鍋を持っています。料理のジャンルを問わず、アウトドア料理にも気兼ねなく使えて、使うほどに味わいが増します。この直径16㎝のは、手持ちのセイロにもピッタリ。無水調理で安納芋もこんなにほくほくに」
保存袋などの消耗品は、遊び感覚でお試しで購入。
「最近のヒットはコストコのラップ。木の器にも使えます。紀ノ國屋の保存袋も◎」
みなくちさんの調理に欠かせない小さな相棒
O X O のトング
「ポンとグリップを押すと先端が開いて、パスタの盛り付けだけでなく、お豆腐やお豆もさっと取れます。菜箸並みに活躍しますよ」
ターボライターイギリスのターボフレーム社製。「バターを溶かしたり、バーナーに着火したりとアウトドア料理の必需品。家では炙り料理に重宝」
ジャムスプーン
「これがないと生きていけない」とみなくちさんが断言する、無印良品のアイテム。「混ぜる、すくう、炒める、色々使えます」
【みなくちなほこ】
身近な材料で、簡単に作れるシンプルでナチュラルな料理が大人気。スイーツからアウトドア料理まで、幅広くこなす。無類の“鉄鍋好き”が講じて、『鉄なべごはん会』を主宰し、鉄鍋関連本を多数発表。調理道具について綴ったエッセ『ずっと使えるおいしい道具』(ぴあ)などがある
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