2018/02/21
さまざまな方法で器の魅力を提案している夏椿の店主・恵藤さん。
前編では、私生活での器との付き合い方について伺いました。
前編:贅沢品ではなく日常使いの器に|『夏椿』店主・恵藤文さん
今回の記事では、恵藤さんの愛用品について紹介します。
職業柄、器の多さはもちろんのこと。ちょっと男性っぽい渋めの器から女性らしいガラスまで、全体のバランスがお見事です。
≪恵藤さん教えて!≫
Q:器を選ぶ基準は?
A:その土地を感じる素材感。その土地の人が持っていなそうな器を選ぶようにしている。
Q:見つけると、思わず買ってしまうものは?
A:ふたもの。壷とか合ごう子しとか…。あとは片口の器もつい買ってしまいます。
Q:最近、お気に入りの器の地域は?
A:南の方面。自分でも不思議だけど、南下していくとすごく気持ちが晴れるんです。
ベトナムで買った小鉢
ベトナムで古道具街を訪れた際、「器がもつ雰囲気にひと目惚れして2 個購入。でも、帰りの機内でひとつ割れてしまって」。
残ったひとつは何を盛るか考えつつ、今は観賞中
成田理俊さんのフライパン
「お皿に近いイメージのフライパンを作ろうと商品開発した際、成田さんからお試しで送っていただいたもの」。食卓にも出せるよう、フライパンにしては薄く、持ち手が短い
台湾で買った壷
「“Wハピネス(“喜”という字がふたつ書いてある)”の壷だから、なんか縁起がいいですよね」と話す壷は台湾の骨董屋で購入。
秋冬は抹茶入り玄米茶を入れて愛用している
山本教行さんの土鍋
購入当初はクリームシチューを、現在はこの土鍋でご飯を炊いているそう。
「3合炊ける手頃な大きさ。鉄鍋で炊いたご飯よりも、おこげがおいしいと思ってます」
石田誠さんの小鉢
「石田さんの工房で、販売用から外れた鉢ということでいただきました」。
販売できない理由は、少しすわりが悪い点。恵藤さんはそこも含めて気に入っているとか
荒井智哉さんのボウル
高知県在住の作家、荒井さんのこの器は、昔の器のかたちを復元させた“うつし”をテーマにした、展示会時の作品。
「シルエットが好き。ナムルなど入れて使います」
台湾で買ったレンゲ
作家と作品の話をするとき、“こんなかんじ”というニュアンスを共感するツールがあると話が伝わりやすい。
台湾で見つけたレンゲは「伊藤聡信さんに雰囲気を伝えたくて」
辻和美さんの器
用途の幅が広い辻さんのガラスの器。
「片口グラスは、お客様がいらした際に注ぎ足し用のコーヒーなどを入れて」。
白ワインや薬味入れなどとにかくいろいろなシーンで活躍
お気に入りの器×いつもごはん
市川孝さんの大皿に「揚げナスのサラダ」
力強さを感じさせる市川さんの大皿に、親交のある料理研究家・重信初江さんのレシピを参考に揚げナスのサラダを。
揚げたナスと玉ねぎのスライスを、ナンプラーと酢をベースにしたドレッシングで和える。
その上にミョウガと大葉で飾りつけ。
「レシピだと仕上げは香菜ですが、代用品で。材料の桜海老やニンニクも家になかったので、自己流でアレンジしてます(笑)」