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合わせる服は変わってもわたしの定番は変わらない|モデル 二ノ宮和佳子|【親愛なる暮らしの道具】

2018/01/31

合わせる服は変わってもわたしの定番は変わらない|モデル 二ノ宮和佳子|【親愛なる暮らしの道具】

「新商品に踊らされ、新しいものをどんどん買うのはもったいない」。
そう語る二ノ宮さんは、長年連れ添ってきたアイテムを紹介してくれた。
ものに刻まれた傷の一つひとつは、自分が生きてきた証。
その証を感じながら、日々を過ごしているのです。

 

■SELECT POINT■
(POINT1)長く使えるものかを見極める。
(POINT2)主体的に使いこなせるかを考える。
(POINT3)気になるアイテムはブランド違いで揃えてみる。

いつまでも好きでいられるものを

二ノ宮和佳子さんの暮らしには、10年、いや20年近く愛用しているお気に入りがたくさんある。なかには高価なアイテムもあるが、いずれも、大切に使い込まれ、年月とともに風合いが増してきたものだ。

モデル、そしてファッションディレクターとして活躍してきた二ノ宮さん。職業柄、名品と呼ばれるブランドやアイテムに触れる機会が多く、知識も豊富だ。「いいもの」に対しては常に敏感。少々値が張っても、気に入ったものは少しずつ買い求めてきた。
「20代の頃、小さな部屋で愛犬ミュウと暮らしていた時から、気に入ったものしか置きたくなかった。その小さな部屋には選び抜いたベッドと椅子だけを置いていました(笑)」と話す二ノ宮さん。手に入りやすいという理由で適当に買った中途半端なものをたくさん置くのではなく、自分にとって愛着のあるものだけを使う。そして、時代を超えても色褪せない愛用品たちは今なお、二ノ宮さんの手元にあるのである。高価なものばかりではない。

20年近く前に留学先で買ったという「GAP」のデニムは、もう裾がボロボロだ。しかし、たくさん履いてたくさん洗ったデニムの風合いは唯一無二。二ノ宮さんのかけがえのない相棒として、今でも現役。%e8%8e%a0%e6%82%9f%ef%bd%ae%ef%bd%ae%e7%b8%ba%e8%bc%94%ef%bd%93%e7%b9%a7%ef%bd%b3%e7%b9%9d%ef%bd%b3%e7%b9%9d%ef%bd%ad%e7%b8%ba%e3%82%85%e2%97%86%e7%b9%a7%e6%b5%ac_x2_0043

家具についた傷の一つひとつ、デニムの色落ち具合、ファブリックのほつれ……。それぞれに、人生の大切な思い出が刻まれている。長く使えば使うほど、昨日今日買った新しいものには絶対にない、かけがえのない愛しいものになっていく。「高価なもの、特に家具や絵、写真は人に相談してから買いますね」。相談相手は専門家であったり、アートに詳しいご主人であったりとさまざまだろうが、楽しみながら吟味する二ノ宮さんの様子が思い浮かぶ。

「今はテレビ台を考え中なんです。仕方ないので、とりあえずテレビは床に置いています(笑)」。妥協のない二ノ宮さんがどんな家具を選ぶのか楽しみだ。
 

パーティーで活躍しそうな華やかなアイテム、日常をちょっと賑やかにしてくれる小物は、もっぱらプチプライス。だが、食卓に並べる紙ナフキンひとつとっても、ちょっとアレンジして使うのが二ノ宮さんらしい。受け身ではなく主体的にものを使いこなすには、イマジネーションが必要だが、その分、暮らしは豊かになる。
 

大切なものを長く使う一方で、〝いろいろ試す〞探究心も旺盛。「気になるアイテムができるととことん揃えたくなるんです。例えば化粧品だと、リップが気になるなと思ったら、色違い、ブランド違いで買ってみます」。

類似品の比較検討はもの選びの基本。器でも、好きな作家さんができたら、その作家さんのものをすべて揃えてみたり、作家さんと関係のある陶芸家の作品もみてみたり……。〝今はこれが気分〞とばかりに、たくさん試してみるのはワクワクするもの。凝り性な性分は、もの選びを楽しくしてくれるスパイスなのかもしれない。

「昔はアンテイークが好きだった。今はセレクトショップで見たり、オリジナル、ヴィンテージと色々ミックスするのが好き。ブランドのこだわりやストーリーを知って、そのブランドにしばらく惹かれてしまうことも。子どもが大きくなった頃には、どうなっているのかな」。しかし、お気に入りのものを大切に使う二ノ宮さんの姿勢は、きっといつまでも変わらない。

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二ノ宮さんが座るソファは最近のお気に入り。犬のミュウちゃんは12 年の付き合いで、元気を与えてくれる存在。

2 0 年近い相棒、私の定番

「ギャップ」のデニム_x2_0044

大学在学中、留学先で買った「GAP」のデニムは今でも愛用している。メンズのストレートのデニムはかなり大きいので、ベルトが必須。太めだが、ラインはあくまでもすっきり

シリーズでそろえたい

スペインの動物の壁飾り3_x2_0013

スペインのアンダルシア地方、ハエン伝統のかご細工。エスパルトというイネ科の植物を使い、収穫用の道具や飾りとして作られている。「牛が気に入ったので、同じシリーズのロバも買いました」。表情が愛らしい。

飾る場所は吟味してから

「プロトリーフ」の鉢植え_x2_0046

リビングだけでも4 つほど飾られているグリーンは、二ノ宮さんにとって欠かせない存在。頻繁に水やりをしなくて済む、扱いが楽なものも多い。「飾る場所は、ここでもない、あそこでもないと家族と吟味します」

日常に、イベントに、大好きなブランド

「フライング タイガー コペンハーゲン」の紙ナフキン_x2_0008

「日常使いの小物を探すなら、フライング タイガー コぺンハーゲン。安くて可愛いんです」。写真は、子どもの誕生日パーティーの際に、紙ナフキンを二ノ宮さんがアレンジしたもの。「キッチングッズや子どものおもちゃもここで買いますね」

シーンを選ばずに使えて便利

「ヴァレンティノ」のサンダル_x2_0026

数年前にミラノに訪れた際に買い求めたサンダル。パーティーから日常まで、シーンを選ばずに使えるのが魅力。グリッターが美しく、存在感がある。「普段使いだったら、シンプルにTシャツとデニムに合わせたいですね」

実用性もデザインも一級品

「マイキータ」のサングラス_x2_0009

ネジを一切使わずに仕上げられたサングラス。とにかく軽く、使い込んでもネジが緩むことがない。フレームはベージュで、グラスはグレーというカラーリングも美しい。「デザインはもちろん、製法に込められた想いも好感が持てます」

2 0 代の頃から愛用しているソファ

「ピエール・ポラン」のソファ_x2_0021

フランス人デザイナーのピエール・ポランによる「コンコルド」というシリーズで、二ノ宮さんが20代のときから愛用しているソファ。「小さい部屋に、ベッドとこのソファだけ置いていました。思い出がたくさんありますね」

大好きな作家さんのひとり

「荒木義隆」の器_x2_0031

京都出身の陶芸家・荒木義隆。料理家のレシピ本にも頻繁に登場している。二ノ宮さんのお気に入りは、美しいトルコブルーのシリーズ。「パスタやサラダなどをシンプルに盛り付けることが多いですね。野菜の赤や緑が映えて、使いやすいです」

独特な香りがタイプ

「イソップ」のハンドウォッシュ_x2_0036

マンダリン、ローズマリー、シダーが爽やかに香るハンドウォッシュは二ノ宮さんのお気に入り。独特の香りが好きで、ボディウォッシュも愛用しているそう。こちらはキッチンに置いて、洗い物のあとに使っているという。

若い頃から名品を知る機会に触れて

「Verner Panton」のランプ_x2_0022

15年ほど前から使っているランプ。ポップな色と4本の脚が個性的だ。「仕事でミッドセンチュリーのインテリアを扱う機会があり、若い頃からいい作品を知ることができたんです。これもそのときに知った作品のひとつですね」

色も形も可愛らしい

「ヒース セラミックス」のマグカップ_x2_0032

1940年代に、エディス・ヒースにより設立された陶器メーカー「ヒース セラミックス」。現在も創業当時の製法を守り続けており、ひとつずつ型に流し込む手作業で作られている「取っ手の位置が絶妙! 色味も素敵で愛用しています」

【profile】
二ノ宮和佳子
18 歳より雑誌、広告、コレクション等でモデルとして活躍。2004 年から2016年までマーキュリーデザインに在籍し、「バナーバレット」や「アミウ」のディレクションを手がける。2017 年1 月からフリーランスに転身し、「ナノ・ユニバース」のウィメンズ クリエイティブディレクター/モデルとして活躍