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愛するものは、今日も明日も明後日も|エッセイスト 平松洋子|【親愛なる暮らしの道具】

2018/01/29

愛するものは、今日も明日も明後日も|エッセイスト 平松洋子|【親愛なる暮らしの道具】

ずばりアイテム選びには、人間性が出ます。つまり暮らし方も見えてきます。
しかし、どれが正解ということではなく、自分の中での正解を探し続けることが大事。
自分なりに正解を見つけ出した、センスある人たちのストーリー。
まだ探している途中の人には、ぜひ参考にしてほしい。

 

■SELECT POINT■
(POINT1)ものを選ぶ際には妥協しない。
(POINT2)暮らしのなかで必要なものを見出す。
(POINT3)ベーシックな色を選ぶ。

毎日使うものだから、選ぶときには妥協しない。

「インテリアなり、暮らしの小物なりを選ぶときに気をつけているのは、間にあわせで買ったり、折り合いをつけて買ったりしないこと。中途半端に選ぶと、結局無駄になってしまいますから」と話すのは、エッセイストの平松洋子さん。

無理をして一度にすべてをそろえようとはせず、暮らしのなかで本当に必要だと思ったものをあぶり出して、少しずつ選んでいけば、おのずと失敗もなくなる。そんな平松さんの暮らしの空間は、白や黒、ベージュ、木(もく)の色でまとめられている。

「道具は特にベーシックな色のものを選ぶことが多いですね。道具というのは明確な使命を帯びているものですから、自己主張の塊とも言える。形ひとつとっても意味があるものでしょう。だから、生活空間のなかに違和感なく溶け込む色のほうが疲れないんです」。

本当のお気に入りは、生活にそっと寄り添い支えてくれる。

私の定番ノート、永遠の銘品です

「ツバメノート」の大学ノート
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「ツバメノート」の大学ノート
大学ノートの定番。鉛筆、万年筆などどんなペンでも相性が良く、水に濡れても頑丈でヘタらない紙質が特徴。「横罫なんですが、ノートを縦にして、縦書きで使うのが書きやすくてお気に入りです」

見た瞬間、買うことを決めた

「ポール」のロングスクラップハサミ_x2_0019

一般のはさみの倍ほどもある長いブレードは、新聞や雑誌のスクラップにうってつけ。「本で紹介されているのを見て、“これは絶対私に必要なものだ”とビビッと来て買いました」。切り心地も抜群。

作り手の暮らしから生まれた品

「上妻利弘」のテタール・バターナイフ_x2_0009

熊本に拠点を置く彫刻家・上妻利弘氏による四万十檜のバターナイフ。ナイフの刃に角度が付いており、バターやジャムでテーブルを汚さない。「実用品だからこそ、機能性とデザイン性が成立していると思います」

出がけに靴を拭くだけ

「パラブーツ」のポリッシュグローブ_x2_0033

「出がけにささっと拭くだけ。外で靴を見たら汚れていてがっかり、というのもなくなります」。ミトンタイプの靴磨き用グローブで、ホコリや泥汚れが瞬時に落ち、羊毛に含まれる油分が革に潤いを与えてくれる。

【profile】
平松洋子
エッセイスト。岡山県倉敷市出身。世界各地を取材し、食文化と暮らしなどを中心に執筆、多くのメディアに寄稿。2012 年『野蛮な読書』で講談社エッセイ賞受賞。最新作は『日本のすごい味土地の記憶を食べる』(新潮社)