2018/01/15
等身大の冷えとり生活を綴ったエッセイが共感を呼んでいる青木美詠子さん。決して無理はせず、でもこだわるところはこだわる。
心身に優しく、そして楽しい暮らしを訪ねました。
お気に入りの逸品と自然の素材で生活を彩る
閑静な住宅街に佇む青木さんと夫の“くにぞうさん”宅。2年半前、「持ち家を持つ」という選択肢に改めて気づいたふたりが、50代にして土地探しからはじめ、一軒家を建てた。化学物質に過敏なくにぞうさんのために、何事も徹底的にリサーチする青木さんが、ネットや本を駆使してさまざまな情報を集め、可能な範囲で天然素材を使った家を完成させた。珪藻土の壁、ヒバの無垢材の床、一般のものよりも使用する接着剤の量が少ない棚板。温かい雰囲気の空間と機能性の高いキッチンとのバランスが絶妙。飲み物は、京都「川橋園製茶場」の「かりがねほうじ茶」など。香りのいいお茶を。友人の革作家、華順さんのコースター。
友人の陶芸家、くまがいのぞみさんや、「モーネ工房」の器たち。青山の「うつわ楓」で購入することも。
毎日食べても飽きない冷えとり愛情ごはん
化学調味料を避けるため自炊がほとんど。良い調味料を使い、簡略化できる工程は省く、ポイントをおさえた料理が信条。
冷えとりをするうちに自然と減った甘いもの。でもときには、全粒粉やおからを用いたヘルシーパンケーキも。
身体に無理のない自分に似合った改善法
衣・食・住のすべてにおいて、ふたつの道があるならば、無理のない範囲で、身体に優しい方を選択する青木さん夫妻のライフスタイル。その根幹には「身体を温めることで、人間本来に備わっているとされる自然治癒力を取り戻す」という、医師・進藤義晴さんが提唱された冷えとりという考え方がある。青木さんは、進藤さんが著した書籍を参考に、身体を温める知恵の数々を生活の中に生かしている。
そもそも、青木さんが冷えとりに興味を持ったのは20代の頃、女性特有の身体の不調に次々におそわれたことが原因だという。その解決のために冷えとりを試したところ、何よりその「心地良さ」に驚いたのだそう。無理してやるのではなく、心地いいからやるというスタンスで始めたこの健康法を導入して20年以上。気づけば、パートナーのくにぞうさんもすっかり冷えとりの虜に。自然なこの方法は、化学物質の影響を強く受けるくにぞうさんにとってもまた快適なものだったのだ。
身体を冷やす甘いものやアルコールは控えるなど、初心者にはストイックに思える方針だが、身体を温めるごとに年々そこまで欲さなく変わっていった。肩肘はらず、リラックスムードで健康に取り組むふたりの暮らしには優しさが満ちている。
青木さんのお手軽冷えとりアイテム
1.天然素材のボトムアイテム
冷えとりにおいて、「絹、綿、麻、毛」などの自然な素材は、肌から排出される老廃物を吸い取るのだそう。
伸びのいい薄手の綿レギンス
「天衣無縫」の「婦人リブ ロングパンツ」はオーガニックコットン100%。非常によく伸びるので、重ね履きにも締め付け感がなく、とても心地がいい。
1 年通して1枚目に着用する必需品
いつも1枚目に履くのは絹100%のレギンス、「うさぎの会」の「ひえとり8分丈アンダー」。薄いのでどんなボトムの中にも。夏もさらっと快適。
ワイドパンツなら、重ね履きも大丈夫
友人のデザイナー、平岩夏野さんのワイドパンツ。麻やウールなど、天然素材が使われている。ウエスト部分が腹巻のように長く、腰回りも温かい。
2.創意工夫も楽しんで
自分にぴったりの冷えとりライフを送るために、服を手作りしてみたり、湯たんぽを就寝時以外でも使用してみたり。
型紙なしでできる自作の綿パンツ
重ね履きに理想的なものが見つからなくて手作りした綿パンツ。2枚の布を縫い合わせるだけ。少々失敗しても完成すると感動!
デスク作業の相棒は湯たんぽ
パソコンに向かうときは、湯たんぽやブランケットで下半身を包むのが青木さん流。仕事しながら足湯のように温かく、暖房も節約に。
【profile】
青木美詠子
文筆家、コピーライター。著書に『ずぼらな青木さんの冷えとり毎日』などの冷えとり四部作(KADOKAWA)、『大人になっても、悩んだりしていいですか?』(大和書房)、『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など
暮らし上手のカラダ改善
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