2018/01/12
心身の不調を自分の手で整えていきたい。
そう感じた時、助けになるのが薬膳という食養生。
それは決して難しいものではなく、身体を思いやる、自然で優しい食事のことです。
とはいえ、何を摂るように意識すればよいのか。
「青家」オーナーの青山有紀さんに体を整える薬膳の心得、そして”健康”と”美”を保つための道具と相棒について伺いました。
旬を知り、自然のもので 健やかな身体作り
祖父の影響で小さい頃から薬膳になじみがあったという青山有紀さん。
「祖父は自分の体調に合わせて食事を作り、病気にも負けず長生きした人。そんな姿を幼い頃から見ていて、人は食べるもので生きているのだと肌で感じていました」。
薬膳とは「食」の力を借りて身体を整えていく食事のこと。
「例えば疲れてだるい時は薬膳でいう“気”が、不足した状態なので、消化の良いもち米入りのおかゆで胃を休め、気を補ってあげます。薬膳=漢方薬を使った料理だと思われがちですが、生薬を使わずに身近な食材でできるんです。すべての食材には効能があるというのが薬膳の考え。大切なのは季節や体調に合わせて食材を選ぶことです」。
食材の持つ自然な効能で身体に働きかけ、冷えや疲れなど身近な不調改善にも有効な薬膳。
「難しいことはなく、旬のものを意識して摂るだけでも心身の調子がいいことを感じられるはずです。季節の野菜や果物はその時期の身体に必要な力を蓄えてくれています。特に果物は、旬の一時しか出回らないものなので忘れずに。食の楽しみである季節の恵みが、薬膳では健康のもとになるのです」。
季節ごとの養生を大切にする薬膳では、秋は潤すこと、冬は温めることが大事なテーマになる。
「乾燥する秋は肺などを潤す食材をとり、風邪を引きにくい身体に。寒さが厳しくなる冬は、身体を温め巡りをよくする食材で養生することで元気に過ごせます」。
秋冬の乾燥など美容の悩みも、まずは土台となる健康が大事だと青山さんは考える。
「きちんと食べ、よく巡らせている人は美しいもの。身体の不調は心にも現れるし、肌や髪など外見にも現れます。今日は乾燥しているからきくらげを食べようとか、薬膳の知識が少しあれば普段の生活の中で整えていける。そんな頼もしい〝知恵〞なんです」。
健康と美を保つ、わたしの道具と相棒
1.香りものをいつでも近くに
リラックスするために欠かせないのが香り。ケアアイテムも香りのいいものを選べば、使う時間が楽しみに。
朝晩使う、植物由来のマウスウォッシュ
液体歯磨きの「THE MOUTHWASH」と、「ブラウンシュガーファースト」のマウスウォッシュは自然で爽やかな香り。
夜は香りに包まれながらフットマッサージを
キッチンに立つ時間が長く、足が冷えて疲れるため、お風呂上がりは「ママバター」や「バジャー」のオイルで保湿しながら、足指1本1本をマッサージする。
アロマオイルは気分に合わせて使い分け
肌につけたり、お風呂に入れたり、枕にたらしたり。「divine beauty」や「SHIGETA」のエッセンシャルオイルを揃え、感性のままに選んで使っている。
2.身体はしっかり温めて巡りよく
冷えは万病のもと。日頃から温めグッズを活用し、身体を芯から温め、巡りがよくなるように気をつけている。
じんわりした温かさが続く毎日のお気に入り
寝る時には湯たんぽが必須。足元が朝まで温かい。右は米ぬかを使ったホットバッグ。電子レンジで温めてお腹などに当てると、ほっとする温かさに包まれる。
入浴剤と半身浴でしっかり汗をかく
半身浴を朝晩できるだけ行うように。入浴剤はよく行く酵素風呂「京の酵素浴」の「リツリンヨク」がマイブーム。しっかり汗をかけて、入浴後も身体がポカポカ。
お茶は自分の手でオーダーメイド
毎日同じものを飲むのではなく、季節や体調に合わせて飲むことを大事にしている。紅茶に巡りをよくする紅花を入れるなど、自分で組み合わせて楽しんでいる。
どの器も忘れずに生かせるよう、食器はオープンな棚に収納。背面の壁に表情を出しているのがラフに並んでいても絵になる秘訣。
生活の中で使うほどに味わいが深くなるようなものが好みで、キッチンでは多国籍な古道具が美しい景色を作っている。NYで買ったビンには雑穀や乾物を、花屋で使われていた木箱は調理に使うさじや菜箸入れに。鍋類はインドのアイアンバーに吊るし、グラス類は日本の古い棚にまとめている。