FOOD & RECIPE

「わたしの胃袋ごはん」vol.18 暮らし上手のたまごさん 山崎ぼぶ

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2018/05/22

「わたしの胃袋ごはん」vol.18 暮らし上手のたまごさん 山崎ぼぶ

ご飯を食べる姿を見られるのは正直恥ずかしい、そう答える女性は結構多い。
昔なんかの本で読んだことがある。
ご飯を食べるという行為は、無防備で、それでいて、その人の育ちとか環境とかもなんとなくわかってしまうもの。だからこそ、誰かと距離を詰めるにはすごく効率的な行為だと私は思う。
あれが嫌いでこれが嫌いで、と嫌いな話しかしない人。単純に食べ方が汚い人。それどこで教わったの?と思うくらい不思議なお箸の持ち方の人。食べている時は、一切会話をしない人。元々食に興味がなく美味しい顔をしない人。
実に面白くない。
それに比べて、出てきたご飯を美味しそうに頬張って、これ美味しいからひと口どう?とか、そうやって美味しいものを美味しいと表現できる人の方がいつの間にか好きになっていることが多い。
しかし、わたしにも苦手なデートコースがあります。
それは辛いものが多いお店とラーメン屋さん。
つまり、中華料理とか韓国料理系。餃子やラーメン、エビチリは大好きなのに、熱いものや辛いものを食べると汗と鼻水が止まらなくなって、とたんに食べていることが恥ずかしくなる。やっぱり私もご飯を食べている姿を見られるのは恥ずかしいと思っている女子なのかもしれない。だから、うちの麻婆ナスは豆板醤を入れない。甜麺醤の利いたコクのある甘め麻婆ナスにしています。汗もかかないし、最後まで美味しい顔して食べることができるから。
「ほんと美味しそうに食べるよね」そう言われ続けて24年。
異性の前で汗をかきながら辛い麻婆ナスを食べる日はきっと結婚相手を決めた日。

スタイリング:木村遥

山崎ぼぶ

料理家山崎ぼぶ

料理家のアシスタントについたのち、出版社の編集部に所属。雑誌、WEB、メルマガ等を担当し、料理と編集の両方に携わる。季節の食材を使った色鮮やかなレシピを得意とする。現在、ファッション通販サイト「haco!」にて料理とファッションの連載中。