2018/04/03
中華料理屋さんのメニューは時々、暗号みたいだなと思う。
棒棒鶏に小籠包、搾菜に青椒肉絲、麻婆豆腐。
漢字がずらりと並んでいて秘密のメニューを頼んでいる気分になるから楽しい。
その中でも、好きなメニューがある。
それはつまり、回鍋肉だ。
肉が鍋の中で回っている、想像しただけでかっこいい。
鍋ふりをする姿と肉が踊る姿が食欲を刺激する。
帰り道のスーパーで旬の春キャベツを見た時、
今晩は、米を炊いて、肉を踊らせよう。そう決めた。
先にご飯を炊く準備をして、下ごしらえ。
「ご飯が炊けるまであと7分」
みずみずしい春キャベツに肉の旨味が馴染んで、
豆板醤とオイスターソースが絡み合いコクが生まれる。
ピリリと少し刺激的な味は、私の胃袋を掴んで離さない。
中華料理はいつだって私の暗号メニューなのです。
スタイリング:木村遥
料理家山崎ぼぶ
料理家のアシスタントについたのち、出版社の編集部に所属。雑誌、WEB、メルマガ等を担当し、料理と編集の両方に携わる。季節の食材を使った色鮮やかなレシピを得意とする。現在、ファッション通販サイト「haco!」にて料理とファッションの連載中。