FOOD & RECIPE

「カラダごはん」vol.5 コウ静子

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2018/01/18

「カラダごはん」vol.5 コウ静子

「福を詰め込んだマンドゥ」

小麦粉の皮で具材を包んだ餃子のような料理は、世界の国々で親しまれ、ロシアのペリメニ、イタリアのラビオリ、ネパールのモモなど、具材も旬の野菜と肉や魚、豆腐やチーズなど多彩です。星や月、お金など身近なモチーフの形にし、ゆでて、蒸して、焼いてと様々です。
子供の頃、小麦粉に水を加えてこね、生地を作って餡を包んで、マンドゥを作るのが楽しみでした。マンドゥは韓国の水餃子で、丸く帽子型に包みます。わが家ではこのマンドゥをポクチュモニと呼んでいます。ポクは福、チュモニは巾着袋やポケットという意味で、季節や体調に合わせた色とりどりの食材と、健康でありますようにという願いと思いを包んで、福がたくさん詰まった福袋を表しています。
韓国ではお正月のお雑煮にマンドゥを加えていただく家庭もあります。元旦は全ての物事が新しく始まる日で、厳粛、神聖を意味する白いものをいただくのです。韓国には、「福をたくさん受けてください。」という挨拶の言葉があります。福をたくさん詰め込んだポクチュモ二は、みんなが自然と笑顔になり、温かな気持ちになるやさしいスープです。

コウ静子

料理研究家コウ静子

料理研究家。料理研究家である母、李映林氏のアシスタントを務めたのち独立。韓国薬膳要素を取り入れた、身体に優しい料理に定評がある。雑誌や書籍、テレビ番組などで活躍中。著書に『症状別 不調の時に食べたいごはん』(家の光社)などがある。