2017/07/13
「韓国風冷汁」
地方や家庭によって作り方は様々ですが、我が家は母が生まれ育った韓国済州島の魚介を使った冷汁が定番です。味噌、唐辛子、ごま、を水で溶きのばし、レモン汁や酢で酸味を加え、ニンニク、ショウガの風味で食欲が無い時にもさっぱりといただけます。ニラや青じそ、ミョウガなど香りの良い野菜を加え、イカでもさざえでもタコでも。サラダの様なスープです。暑い夏は強い日差しに身体の中の水分が奪われ、喉が乾き、熱がこもって身体が乾燥している状態に。水分を十分に含んだキュウリやトマトなど夏に旬を迎える野菜は、身体にこもった熱を優しく冷まし、潤いを与えてくれます。夏とはいえ、冷たいものの取り過ぎはかえって夏疲れを招きます。私は夏でも氷の入った飲み物は取りませんが、このスープだけは特別。溶けそうなほど暑い日に、きりっと冷えた冷汁をいただくと、身体の中を清々しい風が通り抜けるように、すーっと汗が引き、ひと時だけ、暑さを忘れさせてくれます。
料理研究家コウ静子
料理研究家。料理研究家である母、李映林氏のアシスタントを務めたのち独立。韓国薬膳要素を取り入れた、身体に優しい料理に定評がある。雑誌や書籍、テレビ番組などで活躍中。著書に『症状別 不調の時に食べたいごはん』(家の光社)などがある。