BEAUTY & HEALTH

汗って一体何? 正しいニオイ対策のための基礎知識

2018/08/20

汗って一体何? 正しいニオイ対策のための基礎知識

女性にとってお肌の露出が増えてくる今のシーズンは、ニオイや黄ばみ、体臭、肌の炎症の原因にもなる「汗」がどうしても気になります。
その対策について考えてみましょう。

しかし、汗をかくということは決してネガティブなことではありません。汗をかくことは私たちが健やかに暮らすために欠かせない身体の機能なのです。汗の正体を知り、自分の身体と向き合うことで印象が変わってくるはずです。少しだけ汗について真面目に考えてみませんか?

 

「汗」の仕組みを知る

「汗」と聞くとベタベタする、わずらわしい、臭う……などの言葉で形容される、夏の厄介者。けれど、″汗をかく″ことは私たちが健やかに暮らすために欠かせない、身体の機能なのです。
では、汗とは一体何なのか。千春皮フ科クリニック医長の渡邊千春先生にお話を伺いました。

汗の一番大きな役割は体温調節。人は物を食べ、燃焼し、それが熱になりエネルギーへと変わり(=代謝)、代謝が行われると熱が発生します。この時の体温の上昇を脳がキャッチすると、汗腺に「汗を出して!」と指令を送り、発汗。汗の水分が蒸発する際に気化熱を奪い、体温を下げるという仕組みです。真夏の風物詩、″打ち水″と同じ原理ですね。このようにして、体温は一定に保たれています。汗はこれがうまく機能しないと、熱中症の原因にもなります。汗をかくことが、健康でいるための大事な条件なのです。

最近は、汗への意識も変わってきているように思います。ボディメイクブームもあってか、健康や美容のために、積極的に汗をかく女性が増えていますね。汗は保湿の役割もあるので、潤いのある肌へ導いてくれるのです。汗の成分は99%が水分。残りの1%の中には、塩分や尿素や乳酸など、様々な成分が含まれており、とくに尿素や乳酸は保湿に関与しています。そういう意味でも汗は大切です。

汗には「いい汗」と「悪い汗」と呼ばれるものがあります。簡単に言うと、いい汗とはサラサラしていて無臭のもの、悪い汗とはベタベタしていて臭うものです。この違いには汗が出る「汗腺」の働きが関わっているのですが、その汗腺の働きを活発にすることのひとつに、運動があります。それによって、汗が出やすくなり、汗の質にも影響を及ぼすのであれば、日々の意識が少し変わりませんか? 現代の女性とても多忙です。かく言う私も、なかなか運動の時間は取れませんから、クリニックがある5階まで毎日階段を使うようにしています。また38~40℃の半身浴も効果的。

ここまで聞くと、”汗=不快”というイメージが少し払拭されたのではないでしょうか。

女性が悩みがちな「汗対策」。ニオイや肌のことを気にすると夏も思い切り楽しめないですよね。今回学んだ正しい汗知識を知っておくだけでも、嫌なイメージで「できればかきたくない汗対策」から、「どうしたらいい汗をかくことができるか」への意識改革になったのではないでしょうか? サラサラ汗(いい汗)をかく身体づくりをを心掛ければ、自然と生活習慣や体臭の悩みも解決できるかもしれません。デオドラントケアで体質改善を目指してみては?

Kurashi Vol.4

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仕事と暮らしは互いに密接な関係にあります。どちらかに注力するともう一方が疎かになってしまったり、逆に相乗効果を生み出したりすることも。では、毎日忙しく仕事に取り組み、暮らしも丁寧に行うあの人は、いったいどのようにバランスを取っているのでしょうか。それぞれの仕事と暮らしに対するルールや、具体的なスケジュール管理、姿勢などを掘り下げ、自分らしい働き方・暮らし方の鍵を探ります。第3特集にて、上記の汗特集を収録しています。

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