粘膜ケア、していますか?
2017/09/28
いま注目はデリケートゾーンのケア
今、“ デリケートゾーン”と称される膣まわりの粘膜ケアが見直されている。免疫力アップや老化予防などうれしい効果が得られるという、粘膜ケアに詳しい植物療法士の森田敦子さんをナチュラルビューティーハンター・品田ゆいさんが訪ねました。
<profile>
植物療法士
森田敦子さん( 右)
航空会社勤務を経てフランスに留学し、植物薬理学を専攻。20年以上前から粘
膜ケアの大切さを唱えている。著書に『潤うからだ』(ワニブックス刊)など
ナチュラルビューティハンター
品田ゆいさん( 左)
アパレル会社に勤務後、ファッションを学ぶためイギリス留学。帰国後はオーガニックコスメやスパなど美容を極め、独自の視点でビューティ情報を発信中
■ケアすると、こんなにたくさんいいことをもたらしてくれます
・免疫力U P
・肌、爪、髪のツヤ&ハリU P
・生理痛軽減
・ホルモンバランス調整
・出産が楽になる
・産後の回復が早い
・妊娠しやすくなる
・膣の委縮予防
・セックスレス予防
・快感を得られる
品田ゆいさん(以下、品田)「今でこそ話題にできるようになりましたが、デリケートゾーンに関する話は恥ずかしい、タブーだった気がします。なぜ今注目されているのでしょう」
森田敦子さん(以下、森田)「そうですね。10年前まではあり得なかったけれど、2〜3年前からようやく認知されてきました。女性誌が特集を組んだり、百貨店がデリケートゾーンケア専門品を扱い始めたりしたことが大きいです。今、注目されるのは、悩んでいる人が増えたからだと思います。ちなみに日本はとても遅い方。顔や身体を丁寧にケアしても膣まわりは何もしていない人が多い。私がフランスに行った25年前、ヨーロッパではすでにケアをするのが当たり前でした」
品田「日本はデリケートゾーンの後進国なんですね」
森田「そうです。そして生理痛、不妊、セックスレス、尿もれ、更年期障害など、幅広い年代の女性の悩みに粘膜ケアが関係するのです。膣まわり、つまりデリケートゾーンは生理、排泄、セックス、妊娠、出産、閉経……すべてに関わります。ケアをしなければ膣が乾燥して硬くなったり、たるんだりしてさまざまな問題が生じます」
品田「なるほど」
森田「ケアを怠れば、ムレやかゆみの症状からホルモンのバランスが崩れてPMS(月経前症候群)がひどくなったり、膣の委縮によるセックスレスになったりすることも。膣の粘膜が乾くと病原体などの異物をブロックする力が弱くなるため感染症にかかりやすくなるなどの問題が生じます。粘液力が低下した身体はむくみや冷え性に陥りやすく、肌や髪、爪などにハリがなくなり、老化していきます。また、膣には気持ちよさを感じるセンシュアリティポイントがあり、そこから得られる快感によって女性らしさや健康、優しさ、アンチエイジングに有効なβ‐エンドルフィンやオキシトシン、セロトニンなどの幸福ホ
ルモンが分泌されます。そのためパートナーとのスキンシップやセックスはとても大切。それを楽しむためにも、正しい知識をもって適切なケアをしていただきたいと思います」
品田「具体的にどのようなケアをすればよいのでしょうか」
森田「美容大国のヨーロッパや中東では、デリケートゾーンのヘアを処理しないのは野蛮。とくにIラインとOラインは美容サロンできれいに処理するのが常識です。膣はデリケートゾーン用のソープで洗い、専用のオイルやローションで保湿します。とても繊細で敏感な部位なので、ボディソープでごしごし洗ったり、ふだんから化学繊維の下着を身につけるのはあまりおすすめできません」
品田「専用のアイテムが増えたのはうれしいですね」
森田「フランスではドラッグストアや百貨店でも手に取りやすい場所に置いてあり、幅広い年齢の方が購入していました」
品田「日本でも当たり前になる日が近いかもしれませんね」
森田「また、膣のトレーニングもおすすめ。立っているときに膣をギュッと15秒くらいしめると、骨盤底筋を鍛えることができ、妊娠・出産を安全に乗り切り、頻尿や尿もれ、子宮脱といった病気の予防につながります。膣まわりは健康や精神バランスのバロメーター。もっともっと意識して大切にケアし、美しくなって欲しいと思っています」
■具体的なケア方法やグッズについては、『Kurashi』P178~181をご覧ください
https://www.kurashijouzu.jp/magazine/