2018/12/03
毎日の生活を、丁寧に自分らしく過ごすのが好き、という高山都さんの本業はモデル、そして女優。自身のインスタグラムでは「#みやれゴハン」のハッシュタグで、日々の手作りごはんを投稿中。同世代の女性を中心に人気を集めている。そんな高山さんが、選んだ大切な一枚とは? プライベートでもお気に入りの場所で話を伺った。
写真は日々の暮らしを綴る 日記のような感覚です
Q)お気に入りの一枚は、お弁当ですか?
A)これは最近撮った私のお弁当です。その日は早く目が覚めたので、思いついてお弁当を作ってみました。インスタグラムでは「#みやれ弁」というハッシュタグで手作りのお弁当を投稿しています。この時のメニューは、玄米に鶏ひき肉のドライカレー、ゆで卵、おかひじきの和え物です。器の曲げわっぱは、好きな作家さんに作っていただいた作品。お天気もよくて、部屋に入ってくる自然光で撮影しました。お弁当って楽しさが詰まっている気がして好きなんですよね。「今の自分」が一番現れている、とても私らしい写真だと思います。
Q)写真に興味を持ったのはいつ頃からですか?
A)撮影の仕方を覚えたのは、映画で演じた役がキッカケだったんですが、日常的に撮るようになったのは、インスタグラムにごはんの写真を載せるようになってから。30代になって「食」って大事だな、と思うようになって、日々の記録としてごはんを撮影するようになったんです。なんか日記のような感覚で。SNSやブログにアップする時はそれぞれの世界観を意識して、写真や内容を分けて投稿しています。自分観賞用の雑誌を編集しているって感じ。撮影した写真や、自分で表現した言葉に、いろんな方から反響をいただけるようになって、すごく世界が広がった気がします。
Q)料理を撮影する時のこだわりはありますか?
A)まずは、ごはんが美味しそうに見えること。食器も好きで、気に入った作家さんの作品を買うことが多いですね。それも、ただいい器ということではなく、ごはんが盛られてマッチすることが大切なんです。器がウチの子になる時、必ず「どう使おうかな?」って考えます。器に映えるメニューが3つ浮かんだら“ウチに迎え入れる”んです。あと、もう一つ大切にしていることがライブ感。生活感のないごはんの写真って、キレイでも美味しそうに見えないですから。人が暮らしている気配を感じるように、カトラリーや人の手を入れたりして、ぬけ感を出しています。
自分に無理を強いず 私らしい表現を大切に
Q)料理以外で趣味の写真が楽しいと思うことは?
A)自分で撮る写真は、ほとんどがごはんです。ランニングも趣味のひとつですが、その時は荷物になるので、カメラは持ちません。でも、写真も料理もランニングも異なる趣味とは考えていないんです。どれも生活の一部。例えば、走っているのは、食べるのが好きでカロリーを消費しなくちゃ、というのもあるんです(笑)。駒沢公園ではよくランニングをしていて、走りながら「ごはんは何を作ろう?」って考えます。走りながら四季の変化を肌で感じられるので、料理に旬のものを取り入れたくなる。走りながら考えて作ったごはんを写真に撮るのも楽しみ。SNSやブログなどを通じて反響をいただくのもうれしいです。自分らしく楽しんでやることで、趣味が日常になじんで長続きするのだと思います。
Q)自分らしさを表現する上で気にしていることは?
A)そうですね、どんなことにも共通しますが、“無理をしない”ことですね。例えば、今朝は10キロ走ってきたんですが、毎日走る時間や距離は決めていないんです。今は1カ月100キロが目安。できる時にできるだけやる。ちょっとだけ走って、階段に座ってぼーっと休憩するのも好きな時間です。食べ物についてもなるべく体にいいものを選びますが、ジャンクフードだって食べます。無理な決め事を自分に押し付けると、それができなかった時にネガティブな気持ちになってしまうから。写真も同じなんです。自分がやりたいと思ったときに楽しむのが一番いい!
Q)これからの写真の楽しみ方は?
A)無理はしないですが目標があります(笑)。仕事もプライベートも、目指す目標を現状よりちょっと上に置くようにしています。というのも、これから写真の勉強を本格的しようと思っているんです。今までは写真を加工したことがほとんどありません。自然光が好きだから照明も当てません。とはいえ、もっと写真に奥行きやニュアンス、親しみやすいライブ感を出したいなって思っています。だから、少しだけ写真の勉強を……と思っています(笑)。やっぱり、自分のフィルターを通した、私らしい写真が一番楽しいから。
ある日の朝ごはん。シンプルだけど、秋のフルーツで季節を感じる一枚
秋刀魚のパスタ。料理を立体的に見せつつ、作り込みすぎないのがポイント。親しみやすく美味しそうに撮るのが、高山さんのテーマ
玄米と魚でランチ。ワンプレートに盛るのも、隣り合わせる色や食材の色味を意識するだけで、華やかでキュートなひと皿に。
ある日の台所、ふとした瞬間。なんてことない、ひとコマを撮るのも好きなのだとか。
ある日のホームパーティ。「お皿使いはシックに、少し大人っぽさを意識しました」とのこと
オイスター味玉。接写で撮ると、美味しそうな感じが増す気がするという
【プロフィール】
高山 都(モデル、女優、タレント)
モデル、女優、タレントとして幅広く活躍。ファッションをはじめ、仕事にまつわる日々の出来事や、料理やランニングなどの趣味生活をSNSやブログで発信している。自身のインスタグラムでは、ハッシュタグ「#みやれゴハン」で得意の手料理を投稿し、世間の注目を集めている。また、一方でフルマラソンでは3時間41分で完走する記録を持つ。近年は執筆活動にも活動の幅を広げ、暮らしのこだわりを綴ったライフスタイルブックのシリーズが人気。近著に『高山都の美 食 姿 2 「日々のコツコツ」続いてます。』がある。
【Instagram】@miyare38