更年期、子宮にまつわる病気、妊娠・出産の悩みと解決策を聞きました
2018/10/18
年齢を重ねるごとに気になる子宮のこと。誰かに相談したくてもなかなかできない部位ではないでしょうか? 忙しい女性は、病院に行くのもためらいがち。しかし、大事な女性の身体。今、自分の不調をしっかりと知っておくことで今後の身体の変化にも自然と気づいてくるでしょう。
年齢によって変化する私たちの身体にフォーカスして、「天使のたまご」の藤原亜季さんに更年期、子宮にまつわる病気、妊娠・出産について伺いました。
更年期とプレ更年期に現れるトラブル
閉経の平均年齢は50.5 歳で、その前後5年(45~55歳くらい)が更年期。その間、9割近い女性が心身の不調を感じるとされていて、その不快症状のことを「更年期障害」と呼びます。原因はエストロゲンの減少ですが、子どもの自立、親の介護といった環境的要因、几帳面や神経質などの気質も大きく影響します。のぼせやほてり、汗をかきやすい、いわゆる「ホットフラッシュ」が代表的な症状。ほかにも、疲れやすい、手足が冷える、動悸、イライラ、クヨクヨしやすい、頭痛、めまい、吐き気などさまざまです。また、更年期以降は高血圧、動脈硬化、骨粗鬆症などの病気のリスクが高くなるため、生活習慣を変える意識も必要。
また、これらの症状を30代後半~40代前半で感じる場合もあり、それを「プレ更年期障害」と呼びます。プレ更年期の不調は女性ホルモンの減少によるものではなく、ストレスからくる自律神経の乱れが原因である場合が多いといわれています。30 代後半~40 代前半は仕事や子育てに忙しく、自分の身体のことはつい後回しにしがち。ちょっとした変化を見逃さずにケアすることが、その後の更年期を元気に過ごすためにも大切です。
→HOW TO CARE
更年期障害のケアは、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、サプリメントなどいろいろあります。我慢するのではなく、自分に合った方法を取り入れてみましょう。ツボを使ったセルフケアもおすすめ。ホットフラッシュやイライラには頭のてっぺんの「百会(ひゃくえ)」をプッシュ。手の親指と人差し指の付け根にある「合谷(ごうこく)」、足の親指と人差し指の付け根にある「太衝(たいしょう)」も症状を緩和してくれます。
→NEED TO KNOW
薬などを使わず、カウンセリングだけで症状が緩和する人もいます。年齢を重ねることで心身が衰えていくことを嘆くのではなく、「私だけではなく、誰もが通る道なんだ」と、自然なこととして受け入れることが何より大切。同世代の女友達とのおしゃべりもいいでしょう。そして、「どうして、こんなことになるの?」と不安を感じないためにも、自分の身体にどんな変化が起きていくかを「知っておく」のも大事なことです。
子宮にまつわる病気、気になりませんか?
子宮の病気の中でも多いのが、成人女性の4人に1人がかかるといわれる「子宮筋腫」。子宮の筋層にできる良性の腫瘍で、悪性化することは稀ですが、人の頭ほどの大きさになることも。エストロゲンが関係しているため、閉経後は小さくなります。「子宮内膜症」は、子宮内膜組織が、本来あるべき場所ではない腹膜や卵巣などに存在し、増殖する病気。エストロゲンの分泌が盛んな性成熟期に多く発生します。昔の女性は10~20代で何人も出産し、妊娠中や授乳中など生理がない期間がありました。比べて現代女性は、初潮を迎える年齢が低くなり、出産の回数が減った分生涯の生理回数が増え、その数は約5~6倍にもなるというデータも。子宮が休みなく働くことが子宮内膜症などの病気が増えている原因のひとつとも考えられています。
さらに、右肩上がりで増えているのが「子宮頸がん」。主にセックスで感染するHPV(ヒトパピローマ)ウイルスが原因で子宮頸部に発生するがんで、20~30代に特に増えています。「子宮体がん」は子宮内膜に発生するがん。40 ~ 60 代の女性に多く、出産経験がない、閉経が遅い、肥満などがリスク要因。食生活の欧米化も影響しているといわれています。
→HOW TO CARE
病院に行っても何も異常はないと言われ、健康診断の結果も問題ないけれど、不調を感じる……。これを東洋医学では「未病」と呼びます。未病は、病気に向かう前段階の可能性もあります。その段階でケアしておくことがとても大事です。漢方薬や鍼灸の東洋医学、アロマテラピーなどは、そうした女性のマイナートラブルと親和性が高いケア方法。日々の生活習慣やストレスを見直しながら、上手に取り入れてください。
→NEED TO KNOW
月経時の経血量がとても多くなったり、月経痛が年々ひどくなる場合は、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性を考えて婦人科へ。子宮頸がんは早期には症状が出にくいため、定期的な検診が重要です。HPV感染の一部を予防できるワクチンがあり、ワクチンで防げる唯一のがんでもあります。子宮体がんは、月経とは無関係の出血がサインとなることが多いといわれています。そのような場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
妊娠、出産の気になるコト
子宮は筋肉でできた臓器なので、「子宮年齢」はあまり気にする必要はありませんが、卵子は老化していきます。毎日のように作られる精子と違い、女性の卵子は胎児の時に作られたものが一生分で、新たに作られることはありません。毎月1個の卵子を排卵するために、約300個の原子卵胞がなくなっていきます。また、卵胞が卵子となって排卵される時に細胞分裂が行われますが、年齢が高くなるにつれて、この過程がうまくいかずに染色体が不完全な卵子となってしまうことがあります。その場合、受精や着床をしないか、妊娠したとしても流産してしまうことに。「卵子の老化」とは、卵子のもととなる細胞が減ること、卵子の質が低下してしまうことを指すのです。
高学歴、結婚の高年齢化、未婚傾向、社会的支援の不足、セックスレスなどにより、“産まない”選択をする人も増えています。一方で、「いつかは産みたいけれど、今はまだ……」と先送りしている人もいるかもしれません。しかしながら、妊娠・出産に必要な機能は35歳を境に低下していくといわれています。40歳を過ぎても元気に妊娠・出産をする人も増えてはいますが、一般的には妊娠しにくくなるということを理解しておきましょう。
→HOW TO CARE
妊娠しやすい身体づくりには、食事ももちろん大切。最近は、食事の内容が偏っていたり、食べる量が少なかったり、栄養が足りていない人が増えています。たんぱく質など身体をつくる栄養素は必須。さらに最近、妊娠を助ける栄養素として注目されているのが、ビタミンD。さんま、鮭、しらすなどの魚介類やきのこ類、卵などに多く含まれ、太陽(紫外線)を浴びることでも生成されます。妊娠を考えている人は要チェックです。
→NEED TO KNOW
現在、日本では5.5 組に1 組が不妊といわれ、基本的には原因のわからない場合が多いとされています。私のサロンに来る方を見て感じるのは、「身体が過緊張状態の人が多い」ということ。生殖は、身の安全が守られて初めて行われるもの。常に交感神経優位の状態では、“妊娠モード”になりません。ですから、意識してリラックスする時間をつくって身体を緩めること。リラックスできる人やペットと過ごすのもいいですね。
年齢を重ねるごとに悩みの違う女性の身体。自分の悩みについての解決策にはなりましたか? 少しでも不安に思ったら病院に行くことをおすすめいたします。しかし、毎日自分の身体と向き合ってみてください。きっと今までよりも前向きに毎日を過ごせるかもしれません。
【profile】
藤原亜季さん
鍼灸マッサージ師・アロマセラピスト。「女性のための健康医療研究グループ 天使のたまご」代表。2006 年、銀座に妊婦専門サロンを開設。マタニティケアの第一人者として、多くの女性の身体をサポートし続ける。「All About」ボディケアガイド。
S a l o n D a t a
天使のたまご 銀座本院
住所:東京都中央区銀座1-4-4
銀座105ビル5F
TEL:03-3563-1045
http://www.tenshinotamago.com/
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