2018/06/06
パンを牛乳と卵と砂糖に浸し、バターでふんわりと焼く朝の定番、”フレンチトースト”。
大人も子どももみんな大好きな、朝の人気メニューです。
普段は食パンで作ることが多いフレンチトーストですが、
食パン以外に、バゲットやカンパーニュなどでも楽しむことができるんです!
さまざまなパンの味と食感の違いは、美味しい個性に。
今日は、パンをこよなく愛する料理家、桑原奈津子さんのフレンチトーストの楽しみ方をご紹介します。皆さまもぜひ、お好きなパンでフレンチトーストを作ってみませんか?
カリッと香ばしい手作りフレンチトーストレシピ
桑原さんのフレンチトースト
【 材料 】2 人分
パン… 適量(目安としてバゲット1/3本、食パン1 枚、カンパーニュ1 枚ぐらい)
卵… 2 個
きび砂糖… 大さじ2
牛乳… 1 カップ
無塩バター… 適量
純生クリーム、メープルシロップ… 各適量
【 作り方 】
1
ボウルに卵を溶きほぐし、砂糖、牛乳を加えて泡立て器でよく混ぜる。
2
フライパンを中火で熱し、バターを溶かす。2 を入れて全部の面を香ばしく焼く。
3
パンを角切りにし、1 に入れてひと晩冷蔵庫で染み込ませる。
4
泡立てた生クリーム(無糖)をのせ、メープルシロップをかけていただく。
【POINT】
パンをはじめ、表面がしっかり焼けている“香ばしい食べ物”が桑原さんの好物。
そのためフレンチトーストも6面全部を丁寧に、ぎりぎりまで焼き付けて、カリッとした食感に仕上げる。
フレンチトーストは朝の楽しみ
桑原さんの朝は、ミックスフレンチトーストの甘い香りと、淹れたてコーヒーの華やかな香りが部屋中に広がります。朝の定番メニュー、フレンチトースト。桑原さんは、冷凍庫の隅に眠らせたままのパンを集めて、幸福のひと皿に大変身させます。カリッ、クニュッ、モッチリ。微妙な味と食感の違いを楽しみながら朝の時間を過ごすのが楽しみだそう。
バゲット、カンパーニュ、食パン……。ひと皿にいろんなパンが勢揃い。
定番のバター、はちみつ、マーマレードも一緒に。
さまざまなパンの味と食感の違いが”美味しい”個性に!
桑原さんは大のパン好き。特に朝食にパンは欠かせないという。
愛犬のいる毎朝の食卓風景を定点観測でまとめた『パンといっぴき』という本をご存じだろうか。
この本にでてくる愛犬(キップルちゃん)の姿がなんとも愛らしい。本のタイトルからもパン好きなのが伝わってくる一冊である。
「物心ついた時には好きになっていました。もちろん、子どものころも朝はパン派。はじめはその味に夢中でしたが、年々作ることにも興味が湧いてきて、大学卒業後は迷わずカフェで働き、大好きなパン作りに励んでいました」
その後は大手製粉会社で商品開発に専念するなど、常にパンが中心にある暮らしをしてきた。そして現在、料理研究家として活躍中だが、料理家仲間と気になるお店を目指して出かけるなど、いまだパンにかける情熱は衰えていないようだ。
「だから、美味しそうなパンを見つけると、ついたくさん買ってしまって。基本的には表面が硬くしっかり焼けていて食べ応えのあるパンが好みです」
桑原さんは普段、買ってきたパンはスライスして冷凍保存している。
けれども、全部食べきる前に新たにパンを購入することが多いため、その結果、古いパンは庫内の隅に眠ったままになりがち。この、中途半端に余ったパンを、ある形で蘇らせるという。食パン、カンパーニュ、バゲット、クルミ&ドライフルーツ入り……。風味も食感も異なる〝余りパン〞を、冷凍庫から取り出してきた桑原さん。
「作るのは、フレンチトーストです。幼いころは、食パンで作るふわふわのフレンチトーストが好きだったのですが、大人になって初めて、カフェのバゲットで作るそれを食べて以来、すっかりハマってしまって」
そこで、ふと食べたくなったら冷凍庫の中を物色し、適当なパンを集めては作るようになったという。
卵液をたっぷりしみ込ませたパンを、しっかり熱したフライパンにきれいに並べ始めた桑原さん。
「……」
なんとなく口数が減ったと思ったら、パンを焼くのに意識を集中!
「角切りにしたパン全部の焼き加減を見なくてはいけないので、結構真剣なんです」とひと言。
いわく、「全面にしっかり焼き色を付けて、表面をカリカリに仕上げるのが美味しさの秘訣」だとか。
じっくり丁寧に焼かれたフレンチトーストは、先ほどとは異なる艶やかで、なんとも誇らしげな表情。
部屋中に、うっとりするほど甘い香りが漂う。
皿に盛り、生クリームとメープルシロップをたっぷりかければ、特製ミックスフレンチトースの完成だ。
数種類のパンを使っているので、食べ進めるほどに微妙な風味や食感の違いを楽しめるのが
ミックスフレンチトーストの魅力である。
パン好きの桑原さんに教えていただいたフレンチトースト。
たくさん買ってしまって冷凍したパンもこんな風に蘇らせることができれば、毎日の朝食がもっと充実した時間になるかもしれません。余りパンで作ることで、いろんな風味のパンが一度に楽しめるのもまた魅力的。バターやジャムをたっぷりとつけて召し上がれ。
【PROFILE】
くわはらなつこ
大学卒業後、カフェのベーカリー・キッチンで働き始める。その後、大手製粉会社などに勤務し、料理研究家として独立。現在は雑誌や書籍でのレシピ紹介を中心に活動中。著書に『パンといっぴき』(パイインターナショナル)など。
やっぱりパンが好き!
外はサクっ、中はふんわりの香ばしいトースト、具材をたっぷりとはさんだボリューミーなサンドイッチ、魅惑的なパンの作り方をたっぷりとご紹介。もちろん、パンのお供には欠かせない、甘いフルーツのジャムやリエット、パンと合わせる温かいスープなども。基礎からアレンジ、お店情報まで、今よりもっとパンを楽しむコツが満載。パンのことを丸ごと詰め込んだ一冊に。
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