2018/05/04
朝ごはんの主役はパン。
大好きなパンを食べることが毎朝の楽しみという松尾さん。
慌ただしい朝も丁寧にテーブルを整え、ゆっくりと朝ごはんを楽しんでいる。
「朝ごはんの主役は、パン。 大好きなパンを食べることが 私の毎朝の楽しみなんですよ」
睦くんが起きてきたら、睦くんの朝ごはんの時間。睦くんのごはんは、健康を考えて和食が中心。
食卓が一気に賑やかに
東京・西荻窪から現在の住まいに引っ越し、家族との時間を過ごす松尾さん。
緑が多く静かなこの街は、当時1歳だった息子さん・睦くんを育てるのに抜群の住環境だ。
「朝は、とても大切な時間。睦ちゃんが起きてくるまでの間だけが、自分の時間ですからね」
松尾さんは、子育てと仕事を両立する働くママ。
でも、時間に追われている雰囲気は微塵も感じさせない。
それは、朝支度ひとつとっても同じ。
「朝起きたら、まず1日分の番茶を淹れます。それから、洗濯と床の掃き掃除をして、朝食の準備。朝食は1日のスタートだから、1時間かけてゆっくり食べます。私、毎朝パンを食べるのがすごく楽しみなんですよ」と笑う。松尾さん家の朝食は、決まってパン。ご主人の手作りスコーンか、ベーグルが定番だ。テーブルクロスを敷き、ヨーロッパの蚤の市で買ったお皿やカゴ、カトラリーなど、お気に入りのテーブルウェアを丁寧に整えていく。
「昼食と夕食は、和食か麺類がほとんど。だから、洋食器は朝しか使わないんです。その分、どれも大切に使おうと思って」
朝日を浴びながら、大切なテーブルウェアに囲まれ、大好きなパンをじっくりと味わう。
松尾さん宅のダイニングには、理想の朝時間が流れている。
充実した朝ごはんが済んだら、睦くんが目を覚ますまで自分の時間に。ダイニングチェアに座って本を読んだり、ハーブティーを飲んで寛いだり……。中でも、毎日の習慣にしているのは日記をつけること。
「夜はやることが多いので、朝、昨日のできごとを振り返りながら書いています。自分用の日記と睦ちゃんの成長記録、2冊分。どちらも3年日記です。特に成長記録の方は、1年前の同じ日と比べることができるから、睦ちゃんの成長を実感できることが嬉しくて」
子育て中のママにとって、のんびり過ごせる唯一のひと時。睦くんが日々、成長していることへの喜びに浸るこの時間があるからこそ、暮らしにも心にも余裕が生まれるのかもしれない。
「西荻窪に住んでいた頃は、お買い物目的の散歩が多かったんです。でも、今は周りに緑がたくさんあるから、散歩が目的の散歩ができる。朝のうちに睦ちゃんとふたり、近くの玉川上水まで出かけることもありますよ」
自分ひとりだけの時間、そして、睦くんとのふたりの時間。それぞれを丁寧に過ごしている。
いちじくのベーグルは、東京・西荻窪の『ポチコロベーグル』のもの。
もっちりと食べ応えがあり、朝の食卓によく登場する
ハチミツやジャム、バターナイフはトレイにまとめる
パンやフルーツを籐のカゴに盛り付けるだけで食卓が楽しい印象に。
カゴにクロスを敷くと、より華やかになる。写真はフランス・バスク地方のカゴ
松尾さんのカゴとトレイのコレクション。ヨーロッパのものや国内の民芸品などさまざま
朝ごはんは、オーガニック菓子工房『karuna』を営むご主人・石原真さんの手作りスコーンが主役。
バターやハチミツ、手作りジャムで食べる。無農薬の温かい紅茶と薄くスライスしたリンゴを添えて
朝、1日分の番茶を淹れるのが日課。
無農薬の「無双番茶」を愛飲中。
木の持ち手が素敵なポットは北欧のアンティークで、番茶専用ポットとして活躍している
きれいに整理された松尾さんの仕事部屋。
デスクは窓向きにレイアウトしてあるので、心地よい陽光が差し込んでくる。
仕事は午前中からはじめ、午後は睦くんのお昼寝タイムを狙って作業する。
夜はどんなに遅くても24時までに片付けるのがルール
松尾さんの愛用品
紅茶やハーブティを注いで朝食でも活躍
素敵なフォルムのカップは、東京・目黒『HOTEL CLASKA』のショップ「Gallery&Shop“DO”」で。「作家さんのもので、実はワインカップなんです。華奢なデザインが気に入って、朝ごはんやおやつの時に愛用しています」
フルーツをよりおいしく見せるアートな1 枚
パリ発のテーブルウェアブランド、『アスティエ・ド・ヴィラッド』。一見クラシックでありながら、モダンな雰囲気も漂うアートなお皿は、フルーツを盛るのにぴったり。「日本で買うとちょっと高いので、パリで購入しました」
使うほどに味が出る木製バターケース
木工作家・三谷竜二さんの作品は、ギャラリーで購入。
「以前はガラス製のバターケースを使っていたんですが、ガラスだとバターの脂汚れが目立って。木製なら脂がなじむことで味が出てくるし、手入れも簡単なのでおすすめです」
≪松尾さん教えて!≫
Q:朝 、眠い時の対処法は?
A:起きてすぐに冷たい水で顔を洗うようにします。たとえ真冬でも、冷たい水で(笑)
Q:心地よく目覚めるために実践していることは?
A:夜更かしはしない。足を温めると寝起きがいいので、靴下を何枚も重ねて履くことも。
Q:子どものころ 、食べてた朝ごはんは?
A:ごはんとお味噌汁のような和風の朝ごはん。20~30分ぐらいでパパッと食べてました
【PROFILE】
まつおみゆき
2000年からパリに住み、帰国後は雑誌や書籍を中心にフリーランスのイラストレーターとして活躍。雑貨店『le petit marche』店主・滝村美保子さんとのユニット、les deuxとしても活動する。著書に『小さな美術館をめぐる旅』(リベラル社)などがある
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気持ちのよい朝のはじまりは朝食から。丁寧にダシをとった味噌汁、バターたっぷりのふわふわオムライス、栄養満点のスムージー。
爽やかな陽射しの中、朝ごはん習慣をはじめてみませんか? ちょっと贅沢な気持ちになれて、早起きの特権ともいえる朝食は、あなたにとって元気の源? 至福の時? 朝からしっかりとご飯を食べることが、充実した一日を過ごすきっかけになるはずです。明日からいつもより早く起きて、美味しいモーニングライフを。
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