2018/04/25
前日のおかずが変身!
大好きなサンドイッチの朝食のために夕食のおかずは少し多めに作る。
ナガタさんの朝の準備は、前日の夜から始まります。
朝のサンドイッチはすぐに食べるため、生野菜や多少汁けのあるものでもOK。
人目を気にせず、好きな量を挟めるのも家で食べる醍醐味。
「平日は手軽に 休日はゆっくりと」が、 我が家のペースです。
味のしっかりした肉料理や魚料理などサンドイッチ向きのおかずの時は、夕食の準備の時に多めに作っておき、翌朝はサンドイッチに。
メインだけでなく副菜もたっぷり作っておき、一緒に挟んで楽しむのがナガタさん流
「実は、朝はそんなに得意じゃないんです」と、照れくさそうに話す、料理家のナガタユイさん。
食べることも料理することも大好きだが、「朝はそんなに凝ったことはせず、〝簡単で美味しいもの〞というのがポイントです」と笑う。
例えば、和食の日は、さっと作れるおにぎりとお味噌汁が定番。
5歳になる息子さんもおにぎりにするとご飯をたくさん食べてくれるのだとか。
パンの時はトーストにバターとはちみつをたっぷり塗って。
シンプルだが、はちみつはいろいろな種類を用意して、パンに合わせて選ぶのを楽しみにしているそう。
さらに、たまの楽しみにしているのが大好きなサンドイッチ。
朝起きてイチから具材を作るのではなく、使うのは前日の夕食のおかず。
朝は〝組み合わせるだけ〞というのがポイントだ。
野菜やフルーツたっぷりの手作りジュースは、簡単なうえに栄養満点でパンの朝ごはんにぴったり。
朝食をあまり食べない旦那さんもこれらのドリンクだけは飲んでいくとか。
トマトジュースにはレモンとはちみつを入れるなど朝から飲みやすい工夫をしている
食器は普段使い用と、来客の時によく使うものとで分けて収納している。
家で食事会をすることも多く、6客セットの洋食器も多く持っている。
「夕食がサンドイッチに向きそうなおかずの時は多めに作っておくんです。おすすめは味がしっかり染みているおかず。例えばよく作るのが、鶏肉をはちみつと白ワインビネガーで漬けたはちみつマスタードチキン。挟むだけでサンドイッチの味が決まり、生野菜をたっぷり合わせてもバランスがいい。夕食を作る時に、〝このおかずなら明日の朝はサンドイッチにしよう〞って、パンも用意しておくんですよ」と、前日の夜から朝食を楽しみにしているようす。
夕食の時に副菜として添えるキャロットラペやルッコラもたっぷり用意して朝食用に取っておき、一緒に挟むのも、真似したいポイントだ。
「メイン料理に合うものを作っているので、副菜も一緒にサンドイッチにするのは理にかなっているんです」
サンドイッチのメニュー開発に長年携わってきたナガタさん。前述のチキンサンドの他、ピペラード(バスク風ピーマンの煮込み)を煮汁ごと卵でとじて生ハムとサンドしたものや、漬けておいたはちみつ味噌豚に千切りキャベツをたっぷり合わせたサンドイッチなど、前日のおかずを生かしてさまざまなサンドイッチを楽しんでいる。
「朝ごはんのサンドイッチは、すぐに食べることが前提なので水分が多い具材でも大丈夫。お弁当のように持ち運びのことを考えなくてもいいので、実際はなんでもありなんです」
気楽に楽しめるのは、家でのサンドイッチの醍醐味。さらに「晩ごはんの残りや、常備菜を組み合わせて作ったほうが、美味しい組み合わせが生まれることが実は多いんですよ」、とも。
そんな実験的な面白さも、〝朝サンド〞の魅力だ。
時間がない平日の朝は、簡単に手早く作れることが優先。
その代わり休日の朝は、ゆっくり時間をかけて朝食作りを楽しむ。
家族みんなが大好きな、甘~いブリオッシュのパンペルデュは休みの日の定番だ
ナガタさんの朝食ノート
夜に準備しておけば、朝はパンにのっけて挟むだけ。
前日のおかずを大変身させる、ナガタさん流のポイントとは?
前日のおかずをサンドイッチ向きにするコツ
味付けは濃いめのほうがサンドイッチによく合う
味がしっかりとしたおかずだと、サンドイッチがパンチのある味わいになるので美味しい。
甘辛く仕上げたチキンや豚肉のショウガ焼き、煮込み料理も卵でとじればサンドイッチに◎
副菜も一緒に挟んで美味しさも栄養もアップ
メインのおかずだけでなく、副菜もたっぷり作ってサンドイッチ用に残しておくのがコツ。
両者の相性のよさは言わずもがな。朝から野菜を準備する手間も省け、栄養価も高まる
ソースは煮詰めてとろみをつけてから使う
前日のおかずにソースがある場合、ゆるいとサンドイッチがベチャっとしてしまうため、小鍋で煮詰めてとろみをつけてから使う。
甘みにははちみつを使うと、とろみがつきやすくなる
朝サンドの美味しいひと手間
アクセントになる食材を使って味に変化を出す
粗く挽いた黒こしょうをぱらりとかけたり、
ハーブやパルメザンチーズを散らしたり、味のアクセントになるものや香りのあるものを少し加えると、ぐんと味わいがアップする。
パンは厚さを変えたりトーストにしたり
ボリュームのある具材の場合は厚め、そうでない場合は薄めに切るのが基本。
また、黒っぽいパンは風味が強いため薄めに切って。軽くトーストして香ばしさを楽しむのも、朝におすすめ。
朝はさっと塗れるオリーブオイルを使う
パンにバターを塗るのには、具材の水分の移行を防ぐ意味がある。
朝サンドの場合はすぐに食べるため、逆に染み込んでも美味しいので、オリーブオイルをさっとかけるだけでもいい。
朝の週間
身体がシャキッと目覚めるハーブウォーター
フレッシュハーブをミネラルウォーターに入れるだけ。
夜作っておけば、朝爽やかな味わいが楽しめる。
ハーブはミントやレモンバーベナなど、家にあるものでOKだ
すっきり! はちみつトマトレモネード
トマトジュースにはちみつ、レモン、水を加えたドリンク。
濃厚なトマトジュースも、はちみつとレモネードで割るとごくごく飲めるジュースに。
甘酸っぱくて朝に◎
私のお気に入り
多めにつくり、翌朝の楽しみに
“サンドイッチ向きのおかず”とは、味のしっかりした肉料理や魚料理。
ナガタ家の定番ははちみつマスタードチキン。他に、キャロットラペなどの副菜も多めに作っておく。
野菜の作り置きがあると忙しい朝でも安心
時間がある時にまとめて常備菜を作っておけば、朝はお皿に盛って出すだけ。
サラダ感覚で食べられるピクルスなど野菜の作り置きは特に重宝する
頼れる調理道具
『金網つじ 』の焼き網
トースターは持たず、平らなパンはこの焼き網で、大きなパンはオーブンで焼く。
匂いがつくため、パンと干し芋専用にして愛用中
パン切り包丁いろいろ
黄色のふたつは『ウェンガー』、黒はパンくずがあまり出ず、食パンのサンドイッチもキレイに切れるという『包丁工房タダフサ』のもの
『カイ・ボイスン 』のバターナイフ
「使いやすくて飽きがこない」と長く愛用するバターナイフ。
バターはフランスで購入したバター入れにたっぷりと移して食卓に出す
朝時間を毎日豊かに楽しむための”朝食”の本
気持ちのよい朝のはじまりは朝食から。丁寧にダシをとった味噌汁、バターたっぷりのふわふわオムライス、栄養満点のスムージー。
爽やかな陽射しの中、朝ごはん習慣をはじめてみませんか? ちょっと贅沢な気持ちになれて、早起きの特権ともいえる朝食は、あなたにとって元気の源? 至福の時? 朝からしっかりとご飯を食べることが、充実した一日を過ごすきっかけになるはずです。明日からいつもより早く起きて、美味しいモーニングライフを。
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フードコーディネーターナガタユイ
食品メーカーでのメニュー開発、はちみつ専門店での企画運営に携わった後、フードコーディネーターとして独立。国際中医薬膳師の他、ワインアドバイザー、チーズプロフェッショナルの資格を持つ。著書に『サンドイッチの発想と組み立て』(誠文堂新光社)