2018/02/09
1 週間の旅に出るなんて、とてもじゃないけど難しい。
でも、1 日だったら時間は作れるはず。
少し足を延ばした「日帰り旅」なんて、どうでしょう。
第2回目は、ぽってりとしたフォルムと土の温かみを感じられる
益子焼の産地として有名な町「栃木県・益子」。
陶器市に出かけたことがある人は、ぜひ日常の益子の町に出かけてみてほしい。
そこには、祭りの時には見ることのできなかった新しい発見があるだろう。
栃木県益子町で訪れたいスポットは?
栃木県益子町は益子焼の産地として全国にその名が知られている。
益子焼の歴史は江戸時代の末期までさかのぼる。
笠間で修行した大塚啓三郎氏がこの地に窯を築いたことがその始まりと言われている。
土地柄、焼き物に適した陶土がふんだんに産出されること、都市部から交通の便がいいこともその発展に大きく貢献した。また1924 年に柳宗悦らとともに民芸運動を推進した陶芸家、濱田庄司氏によっても益子焼の魅力は広く知られていった。
現在では、約250 の窯元、50近い陶器店がこの町にあり、陶芸家を志す若手の移住者も多い陶芸の町だ。歴史ある老舗も多い中、現代の生活様式に寄り添った若い世代によるショップも点在している。
毎年、春と秋に開催される陶器市の時期、益子にはたくさんの人々が訪れ賑わいを見せるが、イベントが開催されていない益子も落ち着いた大人の旅にはおすすめ。
日本のアンティーク家具を取り扱う「pejite」や「仁平古家具店」、自然と調和したライフスタイルを提案する「starnet」などわざわざ出かけたいショップがここにはある。
益子の新たな魅力を発見しに出かけたい。
日本の古い家具を現代に生き返らせる|p e j i t e
築70年ほどの巨大な米蔵を改装した店舗で、日本のアンティーク家具や益子作家の陶器を扱う「pejite」。栃木県で採掘される大谷石をふんだんに使った石蔵は、空気が清涼で静謐な空間。
独自のルートで仕入れた古い家具は職人の技術で塗料をそぎ落としメンテナンスを行い、木本来の色味を再現したもの。
素朴な風合いの中にも、現代では再現することの難しい職人技が施されたものばかり。また、益子の陶芸家の器なども取り扱っている。一期一会の出合いがある場所だ。
器が陳列されている棚もすべて販売をしている
古材を利用して、オリジナルの器を作ったりと余さず利用しているかつては米蔵として利用されていた蔵が、今では多くの人を受け入れ、新たな役割を担っている
いまは無名だが実力ある器作家の作品も多い
ファッションアイテムや雑貨も取り扱う
Shop data
栃木県芳賀郡益子町益子973-6
TEL:0285-81-5494
営業時間:11:00~18:00
定休日:木曜
http://www.pejite-mashiko.com/
竹林を抜けると現れるギャラリーカフェ|カフェ フーネ
古くから窯元や陶芸家が多く住む益子町道祖土の竹林の中に店を構えるギャラリーカフェ。
陶芸家の鈴木さんご家族が営む「カフェフーネ」では、四季折々の自然を眺めながら地元の新鮮な素材を用いた料理を手作りの器でいただける。
住まいを改装したカフェは、友人宅に招かれたような心落ち着く空間。五感で楽しみたいカフェだ。
「南蛮おこわめし」(1,850 円)は、豚肉とシイタケ、落花生を炊き込んだおこわに
スズキのサクサク揚げ、サラダや季節のスープなどが付いてくる
大きな窓の外には自然を感じる空間が広がる
ギャラリースペースには鈴木さんご家族の作品も
Shop data
栃木県芳賀郡益子町益子5196
TEL:0285-81-6004
営業時間:11:00~ 16:00
定休日:水~木曜
http://www.cafefune.jp/
益子民にとってハレの日のごちそう|古陶里
昭和50 年創業のレストランは、益子の人々にとって記憶に残る味わいを提供している。
築150年の古民家を移築した店内には益子の名だたる作家の作品が置かれており、それを目当てに訪れる人もいるほど。
看板メニューは「ポークステーキ」。豚肉をジューシーに焼き上げ、マッシュルームと玉ねぎのさっぱりとしつつも甘みのあるソースをかけたひと品。
「ポークステーキ」(1,480 円)は、那須高原の甘みのある豚肉を分厚くカット。
この値段は創業以来変わっていないという。
かにピラフも二大名物のひとつとして人気を誇る
お店ご夫婦ふたりで切り盛りしている
木の温もりあふれる店内
Shop data
栃木県芳賀郡益子町益子2072
TEL:0285-72-4071
営業時間:11:00~19:30
定休日:金曜
環境に優しいライフスタイルを提案|s t a r n e t
益子の地で1998年にオープンした「スターネット」は、自然と調和した暮らしの在り方を提案するショップ&カフェ。
ショップではオリジナルデザインの陶器や作家ものの器、ウェアや雑貨などを販売。カフェスペースでは40年以上も前からこの土地で無農薬有機で野菜作りを行う山﨑農園の野菜を使ったメニューや採れたて野菜の販売も行っている。
衣食住の大切さを実感できる店だ。
「やきものライナー」に乗り陶芸メッセ入口で降りると、徒歩10 分ほど。
オリジナルの陶器は、黒と白を基調にしたシックなものが多い
カフェでは野草茶をいただきたい
自然食品の販売も行っている
Shop data
栃木県芳賀郡益子町益子3278-1
TEL:0285-72-9661
営業時間:11:00~ 18:00
定休日:木曜
http://www.starnet-bkds.com/
古道具を手軽に生活に取り入れて|仁平古家具店
「pejite」を営むオーナーの仁平さんが、益子で最初にオープンしたショップがこちら。
「日本の古いものを気軽に生活に取り入れてもらえるように、リーズナブルな価格設定で販売しています」と仁平さん。アンティークや骨董のハードルを低くしたいと、地元益子で古道具店を始めたという。
手に取りやすい価格帯のインテリアは、アンティーク初心者にも嬉しい。
小物から大型家具まで幅広く揃う
昔のガラス小物は、風合いが素朴で味わい深い
使い方に想像力をかきたてられる
Shop data
栃木県芳賀郡益子町益子3435
TEL:0285-70-6007
営業時間:11:00~18:00
定休日:木曜
http://www.nihei-furukagu.com/
他にもこちらの場所に日帰り旅をしてみてはいかがですか?