FOOD & RECIPE

スパイス梅シロップレシピで「梅しごと」

2016/05/24

スパイス梅シロップレシピで「梅しごと」

みずみずしく香り高い青梅が出回る5月半ばから6月下旬。定番の梅酒もいいけれど、料理家スズキエミさんのスパイス風味の梅シロップを使ったスイーツやドリンクのレシピは美味しくて簡単。4か月もの長期保存も可能です。是非試してみてはいかがでしょうか。

 

昔から日本では「梅しごと」といって、その年に収穫された梅を使い、梅酒や梅シロップ、梅干し、梅ジャムなどが作られてきました。ころんとしたフォルムと爽やかな香りが魅力的な梅は長期保存にも向いており、漬けておけば日々の食卓で重宝する嬉しい食材です。梅酒やシロップ作りと聞くと、とっても手間ひまがかかるイメージですがスパイス梅シロップは簡単で驚くほど早くできます。ぜひ、今年は気軽に梅しごとを楽しんでみませんか? 青くて硬い梅を使う場合は、水に漬けてアク抜きをし、よく乾いたら竹串で丁寧にヘタを取るのをお忘れなく。きび砂糖とスパイス、よく消毒したガラス容器を用意すれば、準備OKです。

基本の『スパイス梅シロップ』の作り方はこちら

[ 材料 ] 作りやすい分量
梅…500g
きび砂糖…500g

<A>
シナモンスティック…1本
カルダモン…2~3粒
クローブ…3~4粒
ショウガ…1片分(スライス)

[ 作り方 ]
1、梅の実は洗い、竹串などでヘタを取り、水気をふいておく。必要に応じてアク抜きをする。
2、熱湯で消毒したビンに、梅を敷き詰めて砂糖をかける。これを数回繰り返す。
3、2~3日ほど冷暗所で漬け、砂糖が溶け出してできたシロップ部分がビンの半分ほどまでになったら<A>を入れる。可能なら底の方を振るとよい。

※梅とスパイスは1ヵ月ほどで取り除く。取り除いた状態で、冷蔵で4~5ヵ月保存可

 

梅:砂糖は1:1の割合が理想的。梅シロップは氷砂糖が一般的ですが、上白糖で作ると酸味より甘みが引き立ちます。梅シロップづくりには液体を入れないので、梅と氷砂糖を交互に入れ、数日で少しずつ水分が出てくるので、一日に数回、梅全体に溶けたシロップがいきわたるようにぐるぐると瓶を回してあげるのが失敗しないコツ。毎日ひと振り、丁寧にじっくりコツコツが美味しく仕上がるポイント。

「スパイス梅シロップ」作り方のポイント!

1、スパイスを入れてアクセントに

今回は、シナモン、カルダモン、クローブ、ショウガを加えてちょっぴり洋風の大人味のシロップに。スパイスが香り、クセになる美味しさに! おもてなしにも喜ばれること間違いなし。

 

2、梅と砂糖は交互に入れていく

まず梅を敷き詰め、その上に砂糖を入れ、梅を覆うようにする。続いて再び梅を入れ、砂糖を加える。ビンの大きさにもよるが、これを何度か繰り返す。梅シロップは氷砂糖を使うのが一般的だが、上白糖にすることで、梅の酸味が抑えられ、甘みのきいたシロップに仕上がるので、お子様にもおすすめ。

 

3、スパイス類は2~3日ほど経ってから

スパイス類は砂糖が溶けだしてきたところで、後から加える。日持ちさせるために、梅もスパイスも1ヵ月ほどで取り除くこと。

 

甘みの利いた梅シロップにスパイスを加えることで、ピリッとスパイシーな梅シロップに仕上げることが可能。普段の梅シロップをワンランクアップさせてくれる簡単アレンジレシピに挑戦してみてはいかがですか?

梅スイーツにアレンジ!

スパイス梅シロップは、スイーツにしても美味しい。特に、梅ようかんは今回ご紹介いただいたスズキエミさんが毎年作るという梅スイーツ。市販の白あんを使えば、あっという間にでき上がるので、急なおもてなしにもおすすめ。見た目も涼しげなので夏にぴったりの一品。

 

<梅ようかんの作り方>

梅ようかん

[ 材料 ] 作りやすい分量
スパイス梅シロップ…大さじ4
白あん…300g
砂糖…40g
粉寒天…3g

[ 作り方 ]
1、鍋に水1と1/2カップと粉寒天を入れて中火にかけ、よくなじませる。沸騰したら弱火にして2分かき混ぜながら火に当て、砂糖を加え、混ぜ合わせて煮る。
2、ボウルに白あんを入れ、梅シロップを加えてよくなじませ、1を半量加えて濃度を緩める。1の鍋に戻し、ひと煮立ちさせ火を止める。
3、流し缶を水で濡らし、2を流し込み、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間以上冷やし固める。食べる時に好みの大きさに切る。

暑くなってくると食べたくなるのが、するっと食べられるひんやりスイーツ。スパイス梅シロップならではのスパイシーさと甘酸っぱさが利いた梅ようかんは、一度食べたらクセになる美味しさ。粉寒天を使用しているので、初心者でも簡単・手軽につくることができる。

梅ドリンクでおもてなしはいかが?

梅シロップといえば、水割りやソーダ割り。しかし、牛乳や紅茶で割っても美味しいってご存知ですか? 今回はティースプリッツァーの作り方をご紹介します。ティースプリッツァーとは、紅茶とソーダを混ぜて作るドリンクのこと。ドイツ語で「はじける」という意味のスプリッツァーは、暑い夏のおすすめな爽快ドリンク。

 

<梅シロップティースプリッツァーの作り方>

[ 材料 ] 1人分
スパイス梅シロップ…30cc
紅茶…45cc(濃いめに出したもの)
炭酸水…適量
氷…適量

[ 作り方 ]
1、グラスに氷を入れ、梅シロップを注いでグラスの底に沈める。紅茶を静かに注ぎ入れる。
2、1に炭酸水を注ぎ、好みでシナモンスティック(分量外)を添えていただく。

スパイスの利いた梅シロップと紅茶の相性は抜群。いつものソーダ割りに飽きてしまった人にこそ試してもらいたいドリンク。梅シロップが砂糖代わりとなるので、甘い紅茶が好きな方は少し梅シロップの量を多くしてもOK。スッキリと風味豊かなドリンクを普段の食卓でも、おもてなしでも活用してみてはいかがでしょうか?

 

難しいイメージの強い「梅しごと」。アルコールが苦手な方やお子様がいらっしゃるご家庭は、梅シロップで梅を楽しんでみてはいかがですか? 下処理さえ丁寧に作業すれば、あとは毎日瓶を回して時間が経つのを待つだけ。美味しい梅シロップが簡単に出来上がります。基本のレシピを参考に、スパイスも自分流にアレンジすれば、それぞれの家庭の味をつくることもできます。かき氷にかけるなどアイデア次第で活用の幅がどこまでも広がる梅シロップ。梅が店頭に並ぶ時期が毎年楽しみになりますね。

誌面では梅シロップの活用法をもっとご紹介! 『暮らし上手のビン、カゴ、布』をCHECK!

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スズキエミ

料理家スズキエミ

宮城県生まれ。レストランやカフェ勤務を経て、料理家として独立。料理教室『暦ごはんの会』を主宰。素材の持ち味を生かした料理が人気。著書に『季節の保存食とレシピ』(家の光協会)、『スズキエミさんのいただく野菜』(主婦の友社)などがある。